蒼い鳥の歌

夢キャスと橘蒼星さんと夢女子CP中心の二次妄想置場です。苦手な方はUターン!

ひめのさいごの、すこしまえ

君に最初に出会ったのはヒナタだったかな。

毎日ご機嫌そうにヒナタに撫でられていた君のお母さん、今もよく覚えてるよ……君と同じ、少し甘いグレーの色をした、綺麗な毛並みの猫だったな。

 

彼女がいつのまにか大きなおなかを抱えて姿をあらわすようになってからはヒナタ、大騒ぎだったな……君はお母さんのお腹のなかでも、ヒナタに愛されていたんだよ。

なのにまさか、俺の家で暮らすことになるなんて、あの頃は思いもしなかった。誰も想像してなかっただろうね。

 

そのあと君が産まれてからしばらくのことは誰も知らないけれど、そのときもヒナタすごく心配していたよ。だから君たちがチョロチョロと姿を現したとき、どれだけヒナタが喜んだか、君、覚えてる?

 

それから、あんなことがあって、君はカンパニーでしばらく暮らすことにして……伊織は君を観察するのに夢中になっていたね、殺陣を指南してほしいのに言いづらかったなぁ。

響也はあんなだけど、君は逃げたり怒りこそすれ、傷つけたり、本当に嫌がったりはしなかったね。

カイトとはよく遊んでいたよね……カイトのやつ、みんなの前では嫌そうなフリしてたけど……ふふっ、君がそばに行くとやっぱり嬉しそうだったよ。

そういえば、昴の猫じゃらしテクニックはとうとう習得できずじまいだったな。でももう君はあんな風にに激しく動き回ることなんてないもんね。

 

仁さんとは……どうだった?

いつもお互い、遠くから背中を眺めあっていたけど、

どうおもっていたの?

ああ、君がはなせたらなぁ……ん、今更って思う?

考えないようにはしていたんだけどね。

本当は君に聞きたいことがいっぱいあったんだよ。

 

俺のこと、本当はどうおもっていた?とかね。

 

 

 - 開け放つ窓から涼しい風が吹き込んでくる。

 - カーテンが大きく揺れる。

 - 蒼星もひめも、心地よさに目を閉じる。

 

  

ねぇひめ……少しだけワガママを言ってもいい?

 

 

 - ひめは少しだけしっぽを動かし返事をした。

 

  

俺ね、次に生まれ変わるなら鳥になりたいんだ。

青くて小さな鳥。

そして人に生まれた君と同じ時を生きて、君に見つけられたい。君に大事にされたい。

そして、君より先に逝くんだ。

 

……ひどいと思う?

だけどさ、今の俺と同じ気持ちを知って欲しいんだ。

同じ気持ちを共有したい。ふふ、ワガママだろ?

 

そしたら次はふたりしてまた同じときにさ、人間になって生まれよう?

そして出会おう。俺と君で恋をしてさ……あ、手を繋いで下校とかしてみたいな。

一緒に演劇部にもはいっちゃおうか。

ひめはどんな声で話すのかな。

どんなふうに歌うのかな。

 

ふふふ。でさ、大人になったら今度こそ本当の結婚をしよう。そしてまた家族になって……いや、家庭を築こう。こどもも、ひとりは欲しいな。

そしてその子をふたりで一緒に大事に育てるんだ。どんな気持ちになるだろうね。ちょっと想像できないけれど、きっと素敵なことが、たくさん起きるに違いないね。

 

ひめ……ごろごろ言ってくれるの?

嬉しい?

……そっか、嬉しいんだ……よかった。

 

 

ひめ……ありがとう。