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蒼い鳥の歌

夢キャスと橘蒼星さんと夢女子CP中心の二次妄想置場です。苦手な方はUターン!

蒼星としおり・クリスマスデート 2

未分類

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今夜ばかりは、色気のない自分の食い気に救われた気がする。

あれからすっかり緊張も解けてしまい、いつもの通り、おバカなことばかり話してしまう。

おいしい食事に、見晴らしのいい特等席。何もかもが心地よくて、いま、とても驚いている。

格式張ったコトは苦手だし、ホンのための資料だと割り切った風にしか見れなかった世界が、

いまはこんなにも楽しいと感じる。

 

蒼星くんは鈍感なわたしじゃ気がつけないようなたくさんの気持ちを

今日のためだけに、たくさん砕いて、散りばめてくれているのな。

仕事中に見かけるような、気の遠くなりそうなあの細やかな気遣いの連続。

彼の、カンパニーへ傾ける愛情のうち、ほんのひとかけらでもわたしに向けて

くれているのだとしたら、なんて幸せなことだろう。

 

そう感じながらも、心の中ではもう一人のわたしが警告する。

 (現実を見なさいよ、あなたいくつになったの

   若い子じゃあるまいし、なにをはしゃいでいるの)

確かにわたしはもう若くない。

オバサンと言われても「そうよね」って流せるくらいに慣れてしまった現実。

 (わかってるじゃない、なら大丈夫よね。 本気になんて、なってちゃダメよ。)

そうだね…そうだよ。

 (彼の未来を潰したくない。 これは彼の、一時の心の迷いでしかない。)

 

 

だから笑ってお話ししてよう。どっしり構えて、うろたえないで。

 

 

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    ※ここに「夜も朝も、君と」のストーリが入ります。

 

 

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「え…」

「実はね、泊まる部屋も予約してあるんです、そこで、今夜一緒に…って。」

 

蒼星くんの言葉の意味がわからないわけはなかった。

だけど、返す言葉が出てこない。

彼の瞳の鋭さが心の奥深くを突き刺して、どう反応したらいいかもわからなかった。

 

「しおりさん。」

 

熱っぽく、わたしの名を呼ぶ蒼星くんの手が、わたしの手の上に重なる。

その手の温度に驚いて、咄嗟に手を引いてしまった。

 

「あ…」

 

しまった、と、そう思った時にはもう遅く、彼の口から

「いや…か。」と、小さく、少し掠れてしまった声がもれる。

 

「あの、蒼星くん。」

「ふふ。 オレ、ちょっとハリキリすぎたのかもしれないね。」

「ち…ちがう、ちがうの!」

 

思わず首を横に振り、大きな声で否定していた。

 

「驚いたの…ごめんなさい。」

 

自分の体と考えの不一致と、一気に押し寄せる建前や理性、本音に混乱する。

 

「しおりさん…。うん、わかりました、とにかく少し落ち着いて。

 それからほら、涙をふいて、ね?」

 

 

(なみだ…?)

 

 

体のチカラが抜けてしまう。

なんてみっともないんだろう。 こんな場所で取り乱して。

今、すごく恥ずかしい。 蒼星くんの顔がまともに見れない。

 

差し出されたハンカチを目にあて、わたしはしばらくうつむくことしか出来なかった。

 

 

 

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蒼星としおり・クリスマスデート 3 に、つづく